●スイスアルプスハイキング26
私もスイスで山ガール
スイスの「惑星の道」ハイキング- 6 ■ 火星


あれあれ、これはまるでお稲荷さんだ。火星はどこに?
こうしたモニュメントにしたデザイナーの意図を聞いてみたくなるような「火星」。
先に突き出た棒の先にありました。

こんなあざやかな紫の花は,大体がリンドウ系。左の方は直径5センチくらいあるチャボリンドウ。似たものにコッホリンドウというのがあるけれど、「それは花の中が茶色なのよ」とスイス人に教わったことがある。もしかしてこれのことかな?
右の方は、直径3センチ位の、エンチアン・ヴェルナ。英名をSpring Enzianと言うので、私は春リンドウと勝手に呼んでいた。


花の名前は調べてもすぐに忘れてしまうのだが、ときには「ヴィーナスのスリッパ」とか「男の誠意」とか面白い名前もあって、こっちで覚える方が楽しい。
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●スイスアルプスハイキング25
●スイスアルプスハイキング24
●番外の番外
モルジュのダリア祭り
レマン湖畔のモルジュの町から、一面のダリアの写真が届きました。
「第16回ダリア祭り」の開幕です。

ダリアの放列の向こうには、対岸のフランス領が見えて、天気の良い日はモンブランも望めます。 Morges Region Tourisme
ジュネーブから列車で30分、ローザンヌからは10分、ローザンヌのベッドタウンとしても重要なモルジュの町は、レマン湖畔の古い城下町。オードリー・ヘップバーンが長く住んだトロシュナの村からはバスで10分の、便利でおしゃれでチョコレートが美味しい町です。毎年春には,オランダと肩を並べるチューリップ祭り、そして夏にはダリア・ショウが開かれる花と園芸の町でもあります。
ダリア・ショウは,7月から10月まで、レマン湖畔の約1.5キロに、73種、2100本のダリアが植えられて季節を彩ります。
しばしレマン湖の風景と、大柄なダリアの花をお楽しみください。
レマン湖畔のモルジュの町から、一面のダリアの写真が届きました。
「第16回ダリア祭り」の開幕です。

ダリアの放列の向こうには、対岸のフランス領が見えて、天気の良い日はモンブランも望めます。 Morges Region Tourisme
ジュネーブから列車で30分、ローザンヌからは10分、ローザンヌのベッドタウンとしても重要なモルジュの町は、レマン湖畔の古い城下町。オードリー・ヘップバーンが長く住んだトロシュナの村からはバスで10分の、便利でおしゃれでチョコレートが美味しい町です。毎年春には,オランダと肩を並べるチューリップ祭り、そして夏にはダリア・ショウが開かれる花と園芸の町でもあります。
ダリア・ショウは,7月から10月まで、レマン湖畔の約1.5キロに、73種、2100本のダリアが植えられて季節を彩ります。
しばしレマン湖の風景と、大柄なダリアの花をお楽しみください。
●番外その3:『交通新聞』の記事再録
スイス夏一番 (その3)
● トンネルを出たらあとはハイキング
帰り道、ユングフラウヨッホを出た下り列車はトンネル内の二つの駅は素通りだ。標高差のせいか車内で眠りこける乗客も多いし、日本語のアナウンスもお休み。
だがトンネルを出た途端に一斉に降り支度。ここアイガーグレッチャー駅から終点のクライネシャイデックまでハイキングしようというのだ。
氷河が作り出した古いモレーンの上を歩くこのコースは昔からあったが、最近再開発されて逆さアイガーが映る人造湖なども整備され、「アイガーウォーク」と名前もついた。
終始クライネシャイデックを眼下に、下りばかりの道だ。したがってアイガー,メンヒは後ろに、ユングフラウは左手になるが、氷河やユングフラウ鉄道を右に左に見ながら背中を押されて歩くような快適さで、人気急上昇という。
旧ミッテルレギ小屋
1921年に秩父宮とともにアイガーをミッテルレギ陵から登頂した槙有恒が,登頂成功のお礼に寄付したミッテルレギ小屋が,2011年の改築に伴い、このコース上に移築されている。
このアイガーウォークを右手にそれると、やや上級向けのコース「アイガートレイル」が、北壁直下をアルピグレンまで延びる。また眼下には、メンリッヒェンへのパノラマコースがくっきり姿を現すなど、まさに目の前はハイキング地図そのままの光景となる。
梅雨に悩まされる日本を尻目に、スイスではハイキングシーズン真っ盛りである。
(写真は、電子書籍『スイスハイキング』http://www.swiss-support.co.jp/hiking_guide.htmの著者、和田憲明氏の提供です)。
● トンネルを出たらあとはハイキング
帰り道、ユングフラウヨッホを出た下り列車はトンネル内の二つの駅は素通りだ。標高差のせいか車内で眠りこける乗客も多いし、日本語のアナウンスもお休み。
だがトンネルを出た途端に一斉に降り支度。ここアイガーグレッチャー駅から終点のクライネシャイデックまでハイキングしようというのだ。
氷河が作り出した古いモレーンの上を歩くこのコースは昔からあったが、最近再開発されて逆さアイガーが映る人造湖なども整備され、「アイガーウォーク」と名前もついた。
終始クライネシャイデックを眼下に、下りばかりの道だ。したがってアイガー,メンヒは後ろに、ユングフラウは左手になるが、氷河やユングフラウ鉄道を右に左に見ながら背中を押されて歩くような快適さで、人気急上昇という。


1921年に秩父宮とともにアイガーをミッテルレギ陵から登頂した槙有恒が,登頂成功のお礼に寄付したミッテルレギ小屋が,2011年の改築に伴い、このコース上に移築されている。
このアイガーウォークを右手にそれると、やや上級向けのコース「アイガートレイル」が、北壁直下をアルピグレンまで延びる。また眼下には、メンリッヒェンへのパノラマコースがくっきり姿を現すなど、まさに目の前はハイキング地図そのままの光景となる。
梅雨に悩まされる日本を尻目に、スイスではハイキングシーズン真っ盛りである。
(写真は、電子書籍『スイスハイキング』http://www.swiss-support.co.jp/hiking_guide.htmの著者、和田憲明氏の提供です)。
●番外その2−『交通新聞」の記事再録
スイス夏一番 (その2)
● 今年開業百年のユングフラウ鉄道
ユングフラウ鉄道と呼ぶとまぎらわしいが、この地帯一帯の鉄道をほとんど傘下におく、ユンググフラウ鉄道グループという会社の中の、同名の一路線を指す。このユングフラウ鉄道が今年開通百周年を迎えた。クライネシャイデック(2061m)から頂上駅のユングフラウヨッホ(3454m)までの9・3キロの路線、軌道幅100センチのラックレール鉄道だ。
現在麓のインターラーケンから、頂上駅のユングフラウヨッホへ行くには、ベルナーオーバランド鉄道、ウェンゲルンアルプ鉄道、ユングフラウ鉄道の三つの路線が組み合わされており、乗り換えが二回必要である。何故同じ会社なのに、一本にまとめないのか?そのわけの第一は、軌道幅が異なること、その第二は、使っているラックレールの様式が違うからである。
ラックレールといえば、日本ではアプト式と総称されてどれもこれも同じように思われているが、実はすくなくとも四種類ある。アプト式はそのひとつの名称にすぎないということは意外に知られていないらしい。
ユングフラウ鉄道部分には、シュトループ式が使われている。

雪崩よけのギャラリーを出てきたユングフラウ鉄道。線路の真ん中に、3本目のラックレールが見えている。
話は脱線するが、インターラーケン・オストへ入ってくるスイス国鉄のブリュニック線と、ここからグリンデルワルトへ登るベルナーオーバーラント鉄道は、軌道幅(100センチ)もラックレールの型(リッゲンバッハ式)も同じ。このため、使用電流を調節すれば、スイス国鉄の車両が私鉄駅のグリンデルワルトまで登ることも可能だそうだ。
この三つの路線のうちの最大の難所である頂上部分を切り開いたユングフラウ鉄道は、1912年の8月1日、スイス建国記念日に開通した。着工は1896年。全線約9キロのうち、7キロは、アイガー北壁の胎内を穿ったトンネルである。このトンネル内の駅はアイガーバントとアイスメーアの二つで、列車は各々の駅に5分停車して、乗客は、駅の左手(つまり北壁側)に空けられた大きな窓から、北壁直下の氷河などを見物することができる。駅はもうひとつ、クライネシャイデックを出てこのトンネルに入る直前に、アイガーグレッチャー駅がある。
● 今年開業百年のユングフラウ鉄道
ユングフラウ鉄道と呼ぶとまぎらわしいが、この地帯一帯の鉄道をほとんど傘下におく、ユンググフラウ鉄道グループという会社の中の、同名の一路線を指す。このユングフラウ鉄道が今年開通百周年を迎えた。クライネシャイデック(2061m)から頂上駅のユングフラウヨッホ(3454m)までの9・3キロの路線、軌道幅100センチのラックレール鉄道だ。
現在麓のインターラーケンから、頂上駅のユングフラウヨッホへ行くには、ベルナーオーバランド鉄道、ウェンゲルンアルプ鉄道、ユングフラウ鉄道の三つの路線が組み合わされており、乗り換えが二回必要である。何故同じ会社なのに、一本にまとめないのか?そのわけの第一は、軌道幅が異なること、その第二は、使っているラックレールの様式が違うからである。
ラックレールといえば、日本ではアプト式と総称されてどれもこれも同じように思われているが、実はすくなくとも四種類ある。アプト式はそのひとつの名称にすぎないということは意外に知られていないらしい。
ユングフラウ鉄道部分には、シュトループ式が使われている。

雪崩よけのギャラリーを出てきたユングフラウ鉄道。線路の真ん中に、3本目のラックレールが見えている。
話は脱線するが、インターラーケン・オストへ入ってくるスイス国鉄のブリュニック線と、ここからグリンデルワルトへ登るベルナーオーバーラント鉄道は、軌道幅(100センチ)もラックレールの型(リッゲンバッハ式)も同じ。このため、使用電流を調節すれば、スイス国鉄の車両が私鉄駅のグリンデルワルトまで登ることも可能だそうだ。
この三つの路線のうちの最大の難所である頂上部分を切り開いたユングフラウ鉄道は、1912年の8月1日、スイス建国記念日に開通した。着工は1896年。全線約9キロのうち、7キロは、アイガー北壁の胎内を穿ったトンネルである。このトンネル内の駅はアイガーバントとアイスメーアの二つで、列車は各々の駅に5分停車して、乗客は、駅の左手(つまり北壁側)に空けられた大きな窓から、北壁直下の氷河などを見物することができる。駅はもうひとつ、クライネシャイデックを出てこのトンネルに入る直前に、アイガーグレッチャー駅がある。
●番外その1:『 交通新聞』2012年7月13日
7月13日の交通新聞に、ハイジおばさんが実名で寄稿したハイキングの記事が載りました。ことしユングフラウ鉄道の開通100年にもあたるスイスは梅雨もないし、いまごろは高山植物が咲き乱れてまさにハイキングシーズンまっただなかです。

記事を3回に分けて,カラーに戻した写真とともにご紹介させていただこうと思います。
スイス 夏一番
冬が長いスイスでは、春は一気に変身して夏になる。そしてその気配を感じるやいなや、スイス人の足は、誰に言われなくても山に向かう。夏のハイキングと冬のスキーは、スイス人にとっては生まれつきの本能のようなものなのだろう。そして向かうその先は?それはもちろんスイスアルプスである。
●標高2000mのハイキングコース
日本人なら春は桜見物、秋は紅葉狩りと、行楽には同じパターンを連想するが、スイス人にとっては、それが夏の「ハイキング」なのだろう。コース選びも、去年あそこを歩いたから今年はこっちと、よりどりみどり。全国に五万キロも整備されたコースの全長は、地球一周より長い。ハイキングコースには全国共通の黄色い標識が要所要所に立てられているから、迷う心配がまったくない。出発点と到着点、うまくいけば途中にもレストランがあって、トイレストップにも安心だ。
さて,写真で見るように、ハイキングコースはほぼ平なものが多い。つまり山の斜面をふちどりしたようにハイキングコースが作られていて、年寄りでも子供でも乳母車でも歩けるコースが山ほどあるのだ。

どうしてこんなことが可能なのか?賢明な読者なら答えは簡単。ハイキングコースの出発点まで登山鉄道などで上り、そこからほぼ平に歩いて到着点からまた乗り物に乗って下りてくる、つまり登りも下りも自分の足を使う必要はないからである。(もちろん使ってもいい。スイス人は、登りを自分の足で行き、帰りに乗るひとが多い。これは膝を痛めない知恵だという?)
つまり、ハイキング天国のスイスを支えるのは、緻密な鉄道網だといえる。
そしてこの乗り物には、地面を行く登山鉄道、上からぶら下がる空中ケーブルやゴンドラリフト、そして鉄道と同じく地面を這うが、上下で引っぱりあうケーブルカーの三種類が主役であることは、周知のことだろう。おまけにこのうちの登山鉄道には、線路に三本目の梯子状のレールを置いて、それに車体の下の歯車をかませて滑り落ちないようにしたラックレール式が多く使われ、急斜面でもぐいぐいと登っていく。
写真左のコースはメンリッヒェンからクライネシャイデック間、5・3キロ、標高差157mの「パノラマの道」。今見えているのはユングフラウ(4158m)で、左手にメンヒ(4107m)、アイガー(3979m)が連なって名三山が眼前に並ぶ。そしてこのコースへのアクセスを保証するのは、かの有名ユングフラウ鉄道である。

記事を3回に分けて,カラーに戻した写真とともにご紹介させていただこうと思います。
スイス 夏一番
冬が長いスイスでは、春は一気に変身して夏になる。そしてその気配を感じるやいなや、スイス人の足は、誰に言われなくても山に向かう。夏のハイキングと冬のスキーは、スイス人にとっては生まれつきの本能のようなものなのだろう。そして向かうその先は?それはもちろんスイスアルプスである。
●標高2000mのハイキングコース
日本人なら春は桜見物、秋は紅葉狩りと、行楽には同じパターンを連想するが、スイス人にとっては、それが夏の「ハイキング」なのだろう。コース選びも、去年あそこを歩いたから今年はこっちと、よりどりみどり。全国に五万キロも整備されたコースの全長は、地球一周より長い。ハイキングコースには全国共通の黄色い標識が要所要所に立てられているから、迷う心配がまったくない。出発点と到着点、うまくいけば途中にもレストランがあって、トイレストップにも安心だ。
さて,写真で見るように、ハイキングコースはほぼ平なものが多い。つまり山の斜面をふちどりしたようにハイキングコースが作られていて、年寄りでも子供でも乳母車でも歩けるコースが山ほどあるのだ。


どうしてこんなことが可能なのか?賢明な読者なら答えは簡単。ハイキングコースの出発点まで登山鉄道などで上り、そこからほぼ平に歩いて到着点からまた乗り物に乗って下りてくる、つまり登りも下りも自分の足を使う必要はないからである。(もちろん使ってもいい。スイス人は、登りを自分の足で行き、帰りに乗るひとが多い。これは膝を痛めない知恵だという?)
つまり、ハイキング天国のスイスを支えるのは、緻密な鉄道網だといえる。
そしてこの乗り物には、地面を行く登山鉄道、上からぶら下がる空中ケーブルやゴンドラリフト、そして鉄道と同じく地面を這うが、上下で引っぱりあうケーブルカーの三種類が主役であることは、周知のことだろう。おまけにこのうちの登山鉄道には、線路に三本目の梯子状のレールを置いて、それに車体の下の歯車をかませて滑り落ちないようにしたラックレール式が多く使われ、急斜面でもぐいぐいと登っていく。
写真左のコースはメンリッヒェンからクライネシャイデック間、5・3キロ、標高差157mの「パノラマの道」。今見えているのはユングフラウ(4158m)で、左手にメンヒ(4107m)、アイガー(3979m)が連なって名三山が眼前に並ぶ。そしてこのコースへのアクセスを保証するのは、かの有名ユングフラウ鉄道である。
●スイスアルプスハイキング23
●閑話休題
●クライドルフ展に行ってきました
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開かれているスイスの絵本画家「クライドルフの世界」展を見てきました。擬人化した花や蝶を美しい色調で描いたクライドルフの絵は、どれもほのぼのしていました。

ミュンヘン遊学中に健康を損ねたクライドルフは、アルプスの自然や花や昆虫によって癒され、独特の画風を開拓したようです。あるときなにげなく摘んでしまった野の花を憐れんで、絵に残せば償いができると考えたのが、こうした絵を描きはじめた発端とか・・。
同展覧会のチラシより
擬人化された花のなかには,高山植物も沢山あり、まるでハイキングコースに妖精が現れたような、人懐かしい絵がいっぱいありました。
絵の好きな人、花の好きな人、昆虫の好きな人、そうして観察の好きな人にぴったりの展覧会。7月29日までやっているようです。
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開かれているスイスの絵本画家「クライドルフの世界」展を見てきました。擬人化した花や蝶を美しい色調で描いたクライドルフの絵は、どれもほのぼのしていました。

ミュンヘン遊学中に健康を損ねたクライドルフは、アルプスの自然や花や昆虫によって癒され、独特の画風を開拓したようです。あるときなにげなく摘んでしまった野の花を憐れんで、絵に残せば償いができると考えたのが、こうした絵を描きはじめた発端とか・・。

擬人化された花のなかには,高山植物も沢山あり、まるでハイキングコースに妖精が現れたような、人懐かしい絵がいっぱいありました。
絵の好きな人、花の好きな人、昆虫の好きな人、そうして観察の好きな人にぴったりの展覧会。7月29日までやっているようです。