[242] スイスの夏景色−家

■猫、犬、鳩の入り口も

の絵は、有名な絵本作家、カリジェの「ウルスリの鈴」の一ページです。カリジェは、エンガディンの谷の小村グアルダをモデルに、ウルスリ少年の小さな冒険物語を書いてアンデルセン賞を受賞した、スイスを代表する画家で、これは,エンガディン地方の典型的なスグラフィッティ紋様の家屋の前で、ウルスリ少年の両親が,冒険から戻ってこない少年を待ちわびているところです。


岩波書店『ウルスリの鈴』から
前回ご紹介した家に似た背景の家はこの地方に独特の作り方で、まず中央に半円形の大きな入り口があります。ここは昔は馬車がバックで家の中まで入り、荷台の藁を地下の家畜に落とすための廊下で、いまは広いエントランスホールになっています。この半円のドアをなお、上下に2分割して、下は犬や猫が通れるように。上は風を入れたり、上下開けて人間が出入りします。そして上部の半円形は、鳩のためのドアです。ドア部分の右手には地下に続く入り口があり、ここから家畜が出入りします。その上の小窓の部屋には、たいていお年寄りが住んで、窓からすぐ村人たちとおしゃべりできます。

そして注目は、家の前に置かれた長いベンチ。気がむいたときに腰掛けて、前の道を行く村人と会話を交わします。「パリのカフェと同じだよ!」と言っていました。「ブンディ!(今日は!)」と声をかけてお友達になれれば、この特別な作りの家の中まで見せてもらえるかも知れません。ブンディはシッポのディのところを上げて発音するのがコツです。


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[241] スイスの夏景色−家

■入れ墨の家壁

この壁絵はスグラフィッティと呼ばれ、エンガディン地方、特にイン川下流の下エンガディン地方を代表する建築様式です。約100キロに及ぶエンガディンの谷の、その下流地帯に点在する、ツェルネッツ、グアルダ、アルデッツ、シュクオル、セントなどの村々に多く見られます。
スグラフィッティは、壁に塗る漆喰が生渇きのうちに、ガリガリと紋様を削り、そこに色を施していく手法で、これを「入れ墨」と呼んだ日本の大新聞の記者がおりましたが、まさに明言ですね。


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この「アダムとイブ」と呼ばれる家は、アルデッツ村(ARDEZ)にあります。このようにテーマ性のあるものから、単なる紋様の連続まで、いろいろのデザインと色があり、ピンク、空色、黄色などのパステルカラーの家壁は、雪景色のもとでは特に独特の雰囲気を醸し出します。

家の中央の大きなドアと、ベンチについては次回に!






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[240] スイスの夏景色−川

■イン川は、ドナウ川の源流

エンガディンとは、この土地個有の言語であるロマンシュ語で言うと、イン川の庭という意味だそうです。その名の通り、エンガディンの谷の再最奥のマローヤ村、そのさらに上方のルンギン湖に,このイン川の源流があります。源流地点は、同時に、黒海、北海、アドリア海の分水嶺でもあります。ここもヨーロッパの屋根の一部なのですね。

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イン川は、エンガディンの谷を延々と100キロほど流れ、オーストリア国境を越えて、インスブルックを通過、ドイツに入って最後にドナウ川に合流するのです。この国境の近くのオーストリア領ブラウナウの町が、あのヒットラーの出生地だと今回はじめて知りました。

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[239] スイスの夏景色−山

■楚々とした襟元のようなピッツ・パリュ

夏が来ればハイジおばさんが思い出すのは、尾瀬ならぬスイスのエンガディンの谷。点在する村々の標高が約1800メートル、夏でもシャンパンのような爽やかな空気と清冽な峰々が、懐かしく記憶に甦ります。

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ディアボレッサ展望台から眺めたピッツ・バリュ

その中でも,もう一度じっくり眺めたい山、それがピッツ・パリュです。3つある峰のうち一番高いところで,海抜3905m。スイスの山といえばマッターホルンかユングフラウ、という先入観を覆せるのは、エンガディン地方の屋根、最高峰のピッツ・ベルニナ(4049m)に代表されるベルニナ山群の、こうした秀麗な峰々ではないでしょうか?


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[238] スイスの夏景色−家

■ハテ、どこかで見たような?

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この鼠返しのついた建物、どこかでみたような・・・。そう、日本の校倉作りに似てますね。でもこれはスイスの田舎に見られる納屋の一種。ツェルマットの村の奥やサースフェーの中心部などで、いまでも見かけることができます。Raccardラカールと呼ばれ、辞書を引くと、スイスの小麦小屋とでてきます。たしかにこんな石の円盤では鼠もイタチも、一発で転落ですね・・・。

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Author:ハイジおばさん
スイスとのおつきあいは、スイス政府観光局から始まって、もうかれこれ40年。まだまだ奥深いスイスの魅力を追いかけています。hpもどうぞご覧下さい。
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