[357]スイスに住んだセレブ−21

■ゲーテも見たこの滝

いきなり237年もタイムスリップするが、あの文豪ゲーテのお話。いまのように交通が便利ではなかったにもかかわらず、昔の文豪や絵描きや音楽家はよくアルプスを旅行したようだ。ゲーテも前後3回スイスを訪れている。有名なイタリア紀行のついでだったこともあるようだが、けっこう現代人と同じ観光地も訪れているのが何やら親しみ深い。
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シュタウプバッハの滝

ユングフラウ鉄道の乗り換え地点の一つラウンターブルンネンは、左右の高い崖の底に長く延びるいわゆる氷河谷で、大小72も滝があるそうだ。下の広い谷の写真の右手には落差300メートルのこのシュタウプバッハの滝(埃の滝)、左手の岩壁内部には、外からは見えないトリュンメルバッハの滝が隠れている。この中では背後のアイガー、メンヒ、ユングフラウの4千メートル級の山から流れ出す氷河の水を毎秒2万トン流す怒濤のような滝が10段階落ちていて、写真のような小さな入り口から階段を上下して見物できるが、外からは全く見えない。
ゲーテがこの見えない滝を見たかどうかは、残念ながら確認できなかった。
谷の奥に聳えるのは天下の名峰、標高4158mのユングフラウである。

ラウターブルンネン谷_convert_20160328155837 トリュンメンルバッハ入り口_convert_20160328155912 トリュン面バッハの滝2_convert_20160328155944 トリュンメルバッハの滝1_convert_20160328160016
ラウターブルンネンの氷河谷、       トリュンメルバッハへの入り口、    中の滝の一つ

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[356]スイスに住んだセレブ−20

■ 007、新田次郎、今井通子

シルトホルン_convert_20160319180958
007のジェームス・ボンドにはモデルが居たらしいから、実在の仲間入りをさせるとして、あの映画『女王陛下の007』の舞台になったのが、このシルトホルンである。景勝地ミューレンを通って、2970mの頂上駅まで大型の空中ケーブルが通じているから、ボンドのようにヘリコプターやスキーで来る必要はない。頂上の円形部分は、映画製作の時に命名されたという「ピッツ・グローリア」という回転レストランで、約1時間で一周、このアイガー・メンヒ・ユングフラウの名三山から、周囲360度のアルプスを心ゆくまで見せてくれる。
スキャン+2_convert_20160319181125スキャン_convert_20160319201843_convert_20160319202130スキャン3_convert_20160319201811_convert_20160319204109
円形回転レストランの後ろに3つ並ぶ峰が、名峰アイガー、メンヒ、ユングラウの3名山である。その一番左手の暗い部分が、沢山の登山家の命を呑み込んだアイガー北壁。この難関に見事世界初の直攀をなしとげたのが、今井通子を含む6人の登山隊である。1969年のこの快挙を祝って、シルトホルン空中ケーブルの中間駅、ミューレンの駅舎にはその時使われた用具が飾られている。 SANY0428_convert_20160319181422.jpg <a新田次郎の碑_convert_20160319181235
ミューレンの駅舎の展示                          新田次郎の記念碑
そしてこの3名山の麓にあたるクライネシャイデックには、あのアルプスを愛し多くの著作を残した新田次郎の記念碑がある。駅舎と線路の反対側の小高い土手に、ちょうどアイガーを望むように埋め込まれていて、墓ではないが、愛用の万年筆などが収められているという。この設置を熱心に求めた奥さんの藤原ていさんが、近くを通ったら飴玉のひとつでも供えてくださいね、と仰っていたのを思い出す

[355]スイスに住んだセレブ19-1

■ブラームスと湖畔のトゥーン

ゴールデンパスルートのMOB路線の終点シュピーツからスイス国鉄に乗り換えて首都ベルン方向に向かった次の駅が、美しい城がそびえる湖畔の町トゥーン。ここは有名な観光地、ユングフラウの麓インターラーケンへ、真っ白な湖船が発着する湖畔の町だ
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あのむくつけき風貌に似合わずロマンチックな数々の楽曲を生んだヨハネス・ブラームスは、1886年から3回の夏を続けてこのトゥーンで過ごした。そこで生まれたのがヴァイオリンソナタ第2番、チェロソナタ第2番、そしてヴァイオリンとチェロのための協奏曲などの名曲。彼の住んだ場所は、ブラームス・ケー(ブラームス河岸)という名称でいまでも残っている。トゥーン湖の水が再びアーレ河に姿を変えて、スイスの首都ベルンに向けて流れ出すその右岸にあたり、美しい城に向かってひっそりと小径が上下する。

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"右奥に見えるのは、アイガー、メンヒ、ユングフラウの名三山。ブラームス河岸は船尾のすぐ左手の湖岸。 ブラームス滞在100年記念のハガキ

[354]スイスに住んだセレブ18-2

■ゴールデンパスとM0B鉄道

スイスのゴールデンパスというのは、音楽祭で名高いスイス中央部の観光名所ルツェルンとスイス西部レマン湖畔のモントルーを、ZB鉄道、BLS鉄道、MOB鉄道の3つの私鉄が連携して6時間で結ぶ、まさしくスイス横断のゴールデンルートである。3つの私鉄の中でも、車体を金色に塗ったMOB鉄道のパノラマ列車は、運転席の下の最前2列がパノラマ席になっていて、人気が高い。
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しかし問題はこの三つの鉄道の軌道幅が違うことで、お客は少なくとも2回の乗り換えを余儀なくされる。それではゴーデンルートの名に恥じると、最新技術を駆使して一本化するという案を聞いたのは、実にもう40年も前のことだった。たしか日本へもその技術を視察に来たと聞いたが、日本のどこだったのだろう。しかし乗り換え無しの夢は叶わず、いまもってスイス政府観光局の公式ホームページでも上記の説明のままである。

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スイスとのおつきあいは、スイス政府観光局から始まって、もうかれこれ40年。まだまだ奥深いスイスの魅力を追いかけています。hpもどうぞご覧下さい。
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