[401]『マルチナ・ヒンギス』(E.バリリエ著、鈴木光子訳, 1997年刊)

1章(11):例外中の例外 images-2_convert_20170217121959.png


 ロジェ・カイヨワが、五十年代の終わりに『遊びと人間』を著した頃、スポーツは未だ遊びのひとつのノーブルな展開と考えられていた。つまり身体を用いた遊びである。自由に、また総合的に作り出した規則は、人間の闘争心を昇華して表現し、オリンピックの競技に見られるこのアゴン(コンテスト)は、人類が発明した文明の重要な要素だったにちがいない。
 しかし、プロスポーツを嫌う人からは反論があるだろう。時代は変わってしまったと。
 遊びは、確かに文明のひとつの要素かも知れない。
 しかし、いまやスポーツは遊びではなくなっているのだ。五十年代には、体操もテニスもサッカーも、いまのように何千万の金を云々することはなかった。今日では、新聞で発表されるテニス試合の予定には、二つの項目しか無い。試合の場所と賞金の額である。退廃の極みだと嘆く人もいる。確かに誰かがハシゴをはずさなければならない。あのマルチナ・ヒンギスに有利だったスイスの投票、それはこの意味ではまがいものなのだろうか?

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スイスとのおつきあいは、スイス政府観光局から始まって、もうかれこれ40年。まだまだ奥深いスイスの魅力を追いかけています。hpもどうぞご覧下さい。
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