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●番外その2−『交通新聞」の記事再録

スイス夏一番 (その2)

● 今年開業百年のユングフラウ鉄道

 ユングフラウ鉄道と呼ぶとまぎらわしいが、この地帯一帯の鉄道をほとんど傘下におく、ユンググフラウ鉄道グループという会社の中の、同名の一路線を指す。このユングフラウ鉄道が今年開通百周年を迎えた。クライネシャイデック(2061m)から頂上駅のユングフラウヨッホ(3454m)までの9・3キロの路線、軌道幅100センチのラックレール鉄道だ。
 現在麓のインターラーケンから、頂上駅のユングフラウヨッホへ行くには、ベルナーオーバランド鉄道、ウェンゲルンアルプ鉄道、ユングフラウ鉄道の三つの路線が組み合わされており、乗り換えが二回必要である。何故同じ会社なのに、一本にまとめないのか?そのわけの第一は、軌道幅が異なること、その第二は、使っているラックレールの様式が違うからである。
 ラックレールといえば、日本ではアプト式と総称されてどれもこれも同じように思われているが、実はすくなくとも四種類ある。アプト式はそのひとつの名称にすぎないということは意外に知られていないらしい。
 ユングフラウ鉄道部分には、シュトループ式が使われている。
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雪崩よけのギャラリーを出てきたユングフラウ鉄道。線路の真ん中に、3本目のラックレールが見えている。

 話は脱線するが、インターラーケン・オストへ入ってくるスイス国鉄のブリュニック線と、ここからグリンデルワルトへ登るベルナーオーバーラント鉄道は、軌道幅(100センチ)もラックレールの型(リッゲンバッハ式)も同じ。このため、使用電流を調節すれば、スイス国鉄の車両が私鉄駅のグリンデルワルトまで登ることも可能だそうだ。
 この三つの路線のうちの最大の難所である頂上部分を切り開いたユングフラウ鉄道は、1912年の8月1日、スイス建国記念日に開通した。着工は1896年。全線約9キロのうち、7キロは、アイガー北壁の胎内を穿ったトンネルである。このトンネル内の駅はアイガーバントとアイスメーアの二つで、列車は各々の駅に5分停車して、乗客は、駅の左手(つまり北壁側)に空けられた大きな窓から、北壁直下の氷河などを見物することができる。駅はもうひとつ、クライネシャイデックを出てこのトンネルに入る直前に、アイガーグレッチャー駅がある。
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スイスとのおつきあいは、スイス政府観光局から始まって、もうかれこれ45年。まだまだ奥深いスイスの魅力を追いかけています。hpもどうぞご覧下さい。
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