●番外その1:『 交通新聞』2012年7月13日
7月13日の交通新聞に、ハイジおばさんが実名で寄稿したハイキングの記事が載りました。ことしユングフラウ鉄道の開通100年にもあたるスイスは梅雨もないし、いまごろは高山植物が咲き乱れてまさにハイキングシーズンまっただなかです。

記事を3回に分けて,カラーに戻した写真とともにご紹介させていただこうと思います。
スイス 夏一番
冬が長いスイスでは、春は一気に変身して夏になる。そしてその気配を感じるやいなや、スイス人の足は、誰に言われなくても山に向かう。夏のハイキングと冬のスキーは、スイス人にとっては生まれつきの本能のようなものなのだろう。そして向かうその先は?それはもちろんスイスアルプスである。
●標高2000mのハイキングコース
日本人なら春は桜見物、秋は紅葉狩りと、行楽には同じパターンを連想するが、スイス人にとっては、それが夏の「ハイキング」なのだろう。コース選びも、去年あそこを歩いたから今年はこっちと、よりどりみどり。全国に五万キロも整備されたコースの全長は、地球一周より長い。ハイキングコースには全国共通の黄色い標識が要所要所に立てられているから、迷う心配がまったくない。出発点と到着点、うまくいけば途中にもレストランがあって、トイレストップにも安心だ。
さて,写真で見るように、ハイキングコースはほぼ平なものが多い。つまり山の斜面をふちどりしたようにハイキングコースが作られていて、年寄りでも子供でも乳母車でも歩けるコースが山ほどあるのだ。

どうしてこんなことが可能なのか?賢明な読者なら答えは簡単。ハイキングコースの出発点まで登山鉄道などで上り、そこからほぼ平に歩いて到着点からまた乗り物に乗って下りてくる、つまり登りも下りも自分の足を使う必要はないからである。(もちろん使ってもいい。スイス人は、登りを自分の足で行き、帰りに乗るひとが多い。これは膝を痛めない知恵だという?)
つまり、ハイキング天国のスイスを支えるのは、緻密な鉄道網だといえる。
そしてこの乗り物には、地面を行く登山鉄道、上からぶら下がる空中ケーブルやゴンドラリフト、そして鉄道と同じく地面を這うが、上下で引っぱりあうケーブルカーの三種類が主役であることは、周知のことだろう。おまけにこのうちの登山鉄道には、線路に三本目の梯子状のレールを置いて、それに車体の下の歯車をかませて滑り落ちないようにしたラックレール式が多く使われ、急斜面でもぐいぐいと登っていく。
写真左のコースはメンリッヒェンからクライネシャイデック間、5・3キロ、標高差157mの「パノラマの道」。今見えているのはユングフラウ(4158m)で、左手にメンヒ(4107m)、アイガー(3979m)が連なって名三山が眼前に並ぶ。そしてこのコースへのアクセスを保証するのは、かの有名ユングフラウ鉄道である。

記事を3回に分けて,カラーに戻した写真とともにご紹介させていただこうと思います。
スイス 夏一番
冬が長いスイスでは、春は一気に変身して夏になる。そしてその気配を感じるやいなや、スイス人の足は、誰に言われなくても山に向かう。夏のハイキングと冬のスキーは、スイス人にとっては生まれつきの本能のようなものなのだろう。そして向かうその先は?それはもちろんスイスアルプスである。
●標高2000mのハイキングコース
日本人なら春は桜見物、秋は紅葉狩りと、行楽には同じパターンを連想するが、スイス人にとっては、それが夏の「ハイキング」なのだろう。コース選びも、去年あそこを歩いたから今年はこっちと、よりどりみどり。全国に五万キロも整備されたコースの全長は、地球一周より長い。ハイキングコースには全国共通の黄色い標識が要所要所に立てられているから、迷う心配がまったくない。出発点と到着点、うまくいけば途中にもレストランがあって、トイレストップにも安心だ。
さて,写真で見るように、ハイキングコースはほぼ平なものが多い。つまり山の斜面をふちどりしたようにハイキングコースが作られていて、年寄りでも子供でも乳母車でも歩けるコースが山ほどあるのだ。


どうしてこんなことが可能なのか?賢明な読者なら答えは簡単。ハイキングコースの出発点まで登山鉄道などで上り、そこからほぼ平に歩いて到着点からまた乗り物に乗って下りてくる、つまり登りも下りも自分の足を使う必要はないからである。(もちろん使ってもいい。スイス人は、登りを自分の足で行き、帰りに乗るひとが多い。これは膝を痛めない知恵だという?)
つまり、ハイキング天国のスイスを支えるのは、緻密な鉄道網だといえる。
そしてこの乗り物には、地面を行く登山鉄道、上からぶら下がる空中ケーブルやゴンドラリフト、そして鉄道と同じく地面を這うが、上下で引っぱりあうケーブルカーの三種類が主役であることは、周知のことだろう。おまけにこのうちの登山鉄道には、線路に三本目の梯子状のレールを置いて、それに車体の下の歯車をかませて滑り落ちないようにしたラックレール式が多く使われ、急斜面でもぐいぐいと登っていく。
写真左のコースはメンリッヒェンからクライネシャイデック間、5・3キロ、標高差157mの「パノラマの道」。今見えているのはユングフラウ(4158m)で、左手にメンヒ(4107m)、アイガー(3979m)が連なって名三山が眼前に並ぶ。そしてこのコースへのアクセスを保証するのは、かの有名ユングフラウ鉄道である。
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