●車掌の話をもうひとつ

車掌の話をもうひとつ。これは交通新聞へ寄稿した記事の一部です。
スイス南西部のシエール駅からフランスのシャモニーへ小旅行を試みた時のこと、直通で切符を買えるか不安を覚えつつ窓口へ。すんなりと買えたがこれが高い!半額カードを使っても50数フラン!フルに払えば1万円近くなる。高い高いとぼやきつつ車内へ。
ご存知スイスの鉄道には改札口が無く、車内を巡回してくる車掌が検札する。
2人連れの車掌、ひとりは立派なカイゼル髭をたくわえている。もう一方は見習いらしい。その高い切符をうやうやしく差し出したところ、「ジュネーブで乗り換えです」。
「うぬ,ジュネーブじゃと?わたしゃジュネーブなんぞには参らぬ。シエールから乗れば、2つ先のマルチニーで私鉄に乗り換え、さらに国境でフランス国鉄に乗り継ぐのが常識じゃ!」とカイゼル髭に食ってかかると、
「それはそうですなあ、シエール駅はなんでこんな切符を発行したんでしょうなあ。申し訳ありません。計算し直して差額をお返しします」。
カイゼル髭殿は、赤い鞄に入ったコンピューターを駆使しつつ、自分で計算しては見習いに指示し、おまけに携帯電話まで取り出して、マルチニー駅にシャモニーまでの切符を別途用意するように指示、あっという間に切符は国境まで16.10フランと値下がりした。
嬉しく払い戻しを受け取り、サインをしてにこやかに一件落着。お礼に手入れの良いカイゼル髭を褒めそやしたのはいうまでもない。
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No title
ヴァロルシーヌで再度の乗り換えをなさらなかったとなると、フランス国鉄がスイス領のシャトラール・フロンティエール駅まで来ているということになりますね。
私にも詳細がわかりませんので、一度現地に確認してみましょう。
どうも現地ではナアナアで(ということもないでしょうが)、うまいこと相互乗り入れをしていて、自分たちもどれがどっちの国の配車かわからん、と言われそうな気もしないでもないですが・・・。
駅名のスペルは、”あたらずとも遠からず”で判りますから、当面心配ございません。
私にも詳細がわかりませんので、一度現地に確認してみましょう。
どうも現地ではナアナアで(ということもないでしょうが)、うまいこと相互乗り入れをしていて、自分たちもどれがどっちの国の配車かわからん、と言われそうな気もしないでもないですが・・・。
駅名のスペルは、”あたらずとも遠からず”で判りますから、当面心配ございません。
No title
汐まねきさんのご質問にお答えしようと思います。
スイスのTMR社の電車は、シャトラール国境駅までのものと、その先のフランス領ヴァロルシーヌ駅まで行くものの(時間によって)両方あるようです。逆にフランス国鉄SNCFはヴァロルシーヌ発でサンジェルベ行きになっているので、この2つの駅間を走るのは,スイスのTMR社ということになるかと思います。
私はいつもシャトラールで折り返してスイスに戻っていたので、よく判りませんが、以前に汐まねきさんがシャトラールで乗り換えさせられたときは、ヴァロルシーヌではもう一度乗り換えはなさいませんでしたか?
質問が逆になってしまってスミマセン。
スイスのTMR社の電車は、シャトラール国境駅までのものと、その先のフランス領ヴァロルシーヌ駅まで行くものの(時間によって)両方あるようです。逆にフランス国鉄SNCFはヴァロルシーヌ発でサンジェルベ行きになっているので、この2つの駅間を走るのは,スイスのTMR社ということになるかと思います。
私はいつもシャトラールで折り返してスイスに戻っていたので、よく判りませんが、以前に汐まねきさんがシャトラールで乗り換えさせられたときは、ヴァロルシーヌではもう一度乗り換えはなさいませんでしたか?
質問が逆になってしまってスミマセン。
No title
ご明察!なにしろ地元で飲むスイスワインはおいしいですからね。
レマン湖畔のブドウの段々畑は、世界遺産にもなったことですしね。
レマン湖畔のブドウの段々畑は、世界遺産にもなったことですしね。