fc2ブログ

[257]ややこしい世界遺産−スイスの巻

■ラテニウム博物館 紀元前のラ・テーヌ文化を現代に再現

 全水域スイス領内という意味でスイス最大のヌーシャテル湖。その東のはずれの湖岸にラ・テーヌという場所があります。ここが紀元前5世紀頃頃栄えたラ・テーヌ文化の中心地でした。これより少し古い文明の地として、オーストリアのハルシュタット文化があり、いずれもヨーロッパの先住民族であるケルト民族の文化と言われます。

 ケルト族は今ではアイルランドに伝承する少数民族として残るくらいなので、かつはヨーロッパ全体がケルトの国だったことを知る人は少ないようです。スイスもケルト人の中のヘルヴェティア族という民族が住んだ場所ですが、ジュネーブなどに赴任する日本人外交官の中にも、スイスがケルト人の国だったことを知らない人がいたりするのは、やや勉強不足では??? なにしろスイスのラテン語正式国名にはれっきとしたヘルヴェティアの名が登場するのですから。

DSCN1005_convert_20131214103518.jpg DSCN0995_convert_20131214103401.jpg

さて、ラ・テーヌ文化の中心地だったヌーシャテル湖畔に、「ラテニウム」博物館が2001年に建設されました。それ以前にももちろんこの世界的に重要な歴史的地点を保護する活動は、ミシェル・エグロフ館長のもとで、地道に続けられていました。いまでは、ラテニウム博物館に、現代から古代に遡る形で歴史的遺物が展示されており、とくに水中から発見された古い木舟などは興味深いものですが、多くはきれいにガラスのケースに収められています。あまりすっきりしすぎて、エグロフ館長が雑多な遺物に埋もれるようにして情熱的に仕事をしておられた、古い博物館が懐かしく思い出されます

DSCN1008_convert_20131214103711.jpg DSCN1007_convert_20131214103610.jpg
それにしても、ラテニウムの庭から湖越しに眺めるアルプス連峰は、何千年の時を経た今も雄大そのものです。
スポンサーサイト



テーマ : スイス情報
ジャンル : 海外情報

コメントの投稿

Secre

プロフィール

ハイジおばさん

Author:ハイジおばさん
スイスとのおつきあいは、スイス政府観光局から始まって、もうかれこれ45年。まだまだ奥深いスイスの魅力を追いかけています。hpもどうぞご覧下さい。
www.office-romandie.info/

カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
QRコード
QR