[363]閑話休題−1

■スイスに新ゴッタルトトンネル開通

 青函トンネルを抜いて、世界最長の鉄道トンネル『新ゴッタルトトンネル』がスイスに開通したのは、3日前の2016年6月1日。日本のニュースでもちょこっと出た。全長57キロと言えば、スイスの国土の縦約1/3を地下にもぐっていることになる。
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これではせっかくのスイスの美しい景色を見られないではないかと言う人もいるだろうが、ドイツとイタリアを結ぶ幹線を走るトラックから排出される温室効果ガスが排除できるメリットを優先、17年かけて完成した。従来の峠道や自動車トンネルも維持されるので、伝統の観光産業は、美味しい空気とともに保証されることになる。

 このゴッタルトトンネルがあるゴッタルト峠。天下の難所であると同時に、スイス人にとっては心のよりどころでもある。第二次世界大戦当時、北のヒットラー、南のムッソリーニに挟まれた中立国スイスは、鉄壁の構えで防御した。その砦がゴッタルト峠の巨大な山塊である。時のスイス軍の将軍ギザンは、もしナチスが攻め入れば、このゴッタルト峠にある軍の要塞を爆破して防ぐと明言して中立を守り通した(『将軍アンリ・ギザン』原書房)。原書房の名が出たついでに、話題の舛添知事が、東京都民全員に配布した黄色い『東京防災』の小冊子のモデルとなっという、スイスの『民間防衛』の訳本も紹介しておこう。
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このゴッタルト峠の東側から、あの名河「ライン川」が流れ出している。はじめはまたいで飛び越せるほどの幅だが、スイス東部、リヒテンシュタイン、ボーデン湖を貫いて、スイスのバーゼルでドイツ領に入り、最後の北海にでる。一方、前回ご紹介したローヌ氷河から流れ出るローヌ河は、このゴッタルト峠の西にあり、フランスを経て地中海に至る。まさにスイスはヨーロッパの屋根と呼ばれるに相応しく、その屋根を貫いて貫通した巨大な樋が新ゴッタルトトンネルである。
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No title

スイスの物価は日本より高いのはたしかです。というより安い物が無くて、すべてある一定以上の値段という感じがします。それが月5000フランかどうか判りませんが・・・。この議案は国民発議(イニシャティブ)によって10万人以上の署名を集めて国民投票にかかった筈で、投票者の70%位は反対だったそうですから、いわば一部の理論推進派が先走ったもののようです。普段の投票率は50%を割るといいますから、投票人口の50%の70%と言うと、何人かな?????いずれにしても良識的(いつもですが)な線に収まったということでしょうが、ヨーロッパの他の国でも試験的に導入するところがあるそうですから、理屈っぽいスイス人には恰好のテーマかもしれません。
テニスクラブでも、ロボットの導入によって10万人の首が飛んだ(飛ぶことになりそうな?)ある国の話がでてましたよ。日経の記事、こんど見せてくださいませ。

月収5,000フラン以下だと生活厳しい?

ハイジおばさんへ

今日の日経朝刊に、スイスの最低生活保障、国民投票否決の関連記事が出てました。
2500フラン(27万円)に驚きましたが、5000フラン以下だと生活が厳しい、と。
そんなに物価高いのですか?

将来、ロボットに人間の仕事をとられてしまうのではないか、ということの不安から、推進派は国民投票の提案をしたそうです。本当にそんな時代が来るのでしょうか。

No title

kazu様、2点のコメント有り難う存じます。

スイスの「最低所得保障」否決のニュース、はじめて知りました。迂闊ですね、トホホ。
スイスは住民投票の回数が多いらしく、国民はけっこう辟易しているようですが、でも直接民主主義は、日本では絶対に育っていない現状からして、この点はスイスはお手本に見えます。いまの政府にいくら不満でも、それを表現する手段を日本国民は与えられていないわけですからね。首相官邸前のデモなどでは、かえって対抗手段にヒントを与えているようなものです。
スイスの場合は、一定以上の署名を集めると、新しい議案を政府に突きつける、またはいったん決まった法律の撤回を要求する2つの国民の直接権利が保障されていますので、日本とまったく違います。

写真はSwiss Travel SystemのHPから借用しましたが、今朝見たら違うものになっていたので、記憶に自信なくなりました。

「最低所得保障」否決!

ハイジおばさんへ

スイス国民に拍手!
「最低所得保障」の国民投票の結果、ネットで見ました。
毎月27万円支給なんて、財源どうする気だったのだろう。
まじめに働く人の労働意欲なくなるのは目に見えている。

爺の世代は、厚生年金が支えになっているけど、将来はおぼつかないらしい。
考えて見れば、勤めている間、もとになる高い金を天引きされていた。
もとはと言えば、自分が払った金が戻ってきているだけ。
ま、生きている間くらいは破たんしないと思うけど・・・

株で運用して、増やそうと思ってるらしいが、そううまくいかないのは自明の理。
景気が上向かなければ、ことは簡単には行かない。

新聞で見ました

ハイジおばさんへ
すごいトンネル完成しましたね。
排ガス排除に役立つとは知りませんでした。
この写真はどこから入手?

ヒットラー、ムッソリーニに抵抗したとは、勇敢なスイス兵士たち。
先日テレビの「旅サラダ」?で、アルプス戦士のOBがインタビュー受けていました。
あらためてすごい国ということを実感しました。

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ハイジおばさん

Author:ハイジおばさん
スイスとのおつきあいは、スイス政府観光局から始まって、もうかれこれ40年。まだまだ奥深いスイスの魅力を追いかけています。hpもどうぞご覧下さい。
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