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[393]『マルチナ・ヒンギス』(E.バリリエ著、鈴木光子訳, 1997刊)

1章(3):例外中の例外   images-2_convert_20170217121959.png
 

 ロッティーのずば抜けた能力はともあれ、彼女の時代から110年経った今、テニスは驚くほど進化しており、その成熟度に合わせてマルチナ・ヒンギスの才能と早熟さが、ユニークなものとして喧伝されるわけである。加えて、記録に記録を重ねてグランドスラムを勝ち取った現代のチャンピオンは、すべてのテニスの歴史を通じて、最も若い“世界一”なのである。
 マルチナは、例外である。となると、例外とはなんぞやと言う事になるだろう。例外はそれ自身が語る以上に、そうでないものが何たるかを語ってくれる。例外とは、基準があやふやになったときにこそ、明らかに姿を見せる。例外とは、規範がぐらついた時に見せる明瞭性である。われわれ凡人は、それを見てはじめて、普段は隠れていて良く見えない、普通のこととは何かを見つけるのである。我われは、それを通して、たしかな証は何かというレッスンを受けるのである。


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