[395]『マルチナ・ヒンギス』(E.バリリエ著、鈴木光子訳, 1997刊)

1章(4):例外中の例外

 しかし、それだけが、もう今のうちから私に、このプレイヤーに関する本を書かせようとする動機ではない。それは、書くことを待つ理由がないどころか、もしマルチナ・ヒンギスが我われにもたらしてくれる最も純粋で貴重なものを保持しようとするならば、急がねばならないと思えるからである。なぜなら時というものが、我われに対するより、より強力に彼女にあらがうかも知れないからだ。月日が経てば経つ程、彼女のしていることから真の彼女の姿を見分け、彼女の成功と彼女の才能を切り離すことが難しくなる。彼女の獲得ゲームが数を増し、そして彼女の銀行預金が増えるに従って、我われはその彼女の勝率と財産から目が離れなくなる。我われ自身、才能と力、量と質を混同する烏合の衆の片割れになって行く。加えて、マルチナ自身、いつ運命の女神の気まぐれにさらされるかも判らない。

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©André Springer, Horgen



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