[395]『マルチナ・ヒンギス』(E.バリリエ著、鈴木光子訳, 1997刊)

1章(5):例外中の例外  

  すでに巷の新聞記者たちが生活に入り込み、パパラッチたちが、イギリス王室のレディや、モナコの可哀想な王女さまと同じように跡をつけまわしているらしい。
 ひと言で言って、将来は誰にも判らない。いまの時点でこの選手が我われに呉れる贈り物は、明日はもう貰えないかもしれないし、また呉れようとしないかも知れないのだ。
 しかし大事なこと、我われの頭の中に生き続けるものは、いまこの瞬間の彼女であり、プレーするこの年齢、すべてがゲームであり栄光でもあるこの年齢なのである。彼女の今のプレー、彼女の今のスタイル、彼女の今の芸術、それだけが私の話したいことである。
 彼女の私生活のこまごました事、生い立ちとか、趣味とか、若い女の子の気まぐれとか、そうしたことを語って悪いわけでないが、勝負とは、ひとつの人格の表現であって、その存在の発露でもある。つまり私は、マルチナ・ヒンギスを人として語りたいのであって、それを私生活と混同することがないようにするつもりだ。それは、芸術家が我われに与えてくれるのは芸術であって、あと何を開示してくれるかは、本人の意志次第であるのと同じである。


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