[453}ハイジおばさんの断捨離日記ー41

世界遺産にも認定された上野の国立西洋美術館で開催中の、ル・コルビュジエ展。
フランスの建築家として後援も全てフランス関係である。
しかし彼はれっきとしたスイスの出身者で、スイス名はジャヌレ。
「ピュリスムの時代」というサブタイトルに、一片のスイスを発見できるかと期待して、新緑の上野の森に出かけて見た。
ル・コルビュジエの出身地は、スイス北部フランスと国境を接するジュラ地方のラショードフォンだ。フランスとスイスを分けるジュラ山脈のその東側、かつて宗教改革の時に、ユグノーと呼ばれるフランスの新教徒が逃れてきた地方である。スイスのシベリアと呼ばれるこの地方には、新教徒の末裔が多くすみ、名前にもユグノーとかユグナンとかが残っている。


スイス時計産業の中心地であるラショードフォンの街には、ル・コルビュジエが建てた建物がいくつか残っている。その中で私が特に心惹かれたのは、彼が両親のために建てたという「白い家」であった。小高い丘の上にあって、外見より中は広々として、コルビュジエ独特の空間が広がる。
この空間の空気は展覧会の図面では表せない。
スイスからだんだん離れていった彼の当時の作風を見ながら、隣接して展示されていたこの国立西洋美術館常設展の数々に、何かホッしたものを感じたことは否めない。
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