fc2ブログ

●カリジェとウルスリの鈴5

さて、アロイス・カリジェの3つの活動のうち、日本に最初に紹介されたのは、このように絵本作家としての名声だったわけです。でもカリジェと同じアンデルセン賞を受賞された安野光雅先生は、絵本より彼の自然画家としての側面に興味を持たれたのでしょう。ともかくカリジェの描いた様々な絵の現場に立ってみたいという強い要望をお持ちでした。
そこで私はカリジェの作品を片っ端から並べ、そこに地名が出てくるものを次々にスイス地図の上に記していき、それを実際に訪ねてみる、という旅をご用意したのです。私はナビゲーター役です。先生はレンタカーの運転は全然苦にならないご様子で、ス~イ,スイ。「マーラーの音楽が不思議とドライブに合うんだよねえ」といつもご機嫌で、野越え、山越え、運転してくださいました。1991年の春のことです。


スイスの谷_convert_20110712195833
朝日新聞社 1990年10月第1刷発刊

車中ではいろんなお話をして実に楽しかったですねえ。先生はすでに、「イタリアの丘」「フランスの道」「イギリスの村」など、シリーズで朝日新聞社から出版しておられたのですが、スイスだったら絶対「スイスの谷」にしましょうよ、というと、先生は「そうだね、スイスだったら谷だよね」とおっしゃいました。でももうその時には、「スイスの谷」は刊行済みだったのです。きっと私が得意げに言うのを見て言葉を合わせてくださったのだと、今頃になって先生の優しさを再発見です

スポンサーサイト



テーマ : スイス情報
ジャンル : 海外情報

コメントの投稿

Secre

きっと波長があったのですよ

ほのぼのとする絵ですね。きっと安野さんと波長があったのですよ。
だから、ハイジおばさんが、そう思っていたこと、伝わっていたような気がします。

今日、歯医者さんに行って、待合室であらためて、「葉っぱのフレデイ」読みました。
ゴーギャンの最晩年の絵のように、人は何故生まれ、どう生き、何処へ行くのか、
子ども向けの絵本ですが、心にしみるものがありました。
プロフィール

ハイジおばさん

Author:ハイジおばさん
スイスとのおつきあいは、スイス政府観光局から始まって、もうかれこれ45年。まだまだ奥深いスイスの魅力を追いかけています。hpもどうぞご覧下さい。
www.office-romandie.info/

カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
QRコード
QR